遠心フィールドフローフラクショネーション を用いた抗体修飾ナノ粒子の凝集評価

ダウンロード

はじめに

ナノ粒子は様々な医療分野への応用が期待されています。一方で、ナノ粒子は生理的な環境下で凝集しやすく、実用上の大きな課題となっています。特に、見かけ上は単分散なナノ粒子分散液に凝集体が含まれていた場合、予期せぬ結果を生み出してしまうことが懸念されています。本稿では、このような凝集体の評価手法として、遠心フィールドフローフラクショネーション(centrifugal field-flow fractionation: CF3)を使用した例を紹介します。一般的な手法で抗体を修飾した金ナノ粒子をモデルとして使用し、その分散性を種々の手法で評価した結果、動的光散乱(dynamic light scattering: DLS)のような従来の評価手法では粒子の凝集の有無を検出することができませんでしたが、CF3では二量体や三量体などの”わずかな凝集体”の明瞭なピークを検出することができました。これらの結果から、CF3を用いた凝集評価の重要性が示されました。

2025.04.02

関連製品

一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。