
MultiNA II MCE-301
- 核酸電気泳動のゲル作成、サンプルアプライ、データ取り込みを自動化します。 - 多検体でも迅速・簡便に測定することが可能です。 - 高感度なmRNA分析が可能です。
近年、メッセンジャーRNA (mRNA) を利用した医療技術は急速に発展し、感染症ワクチンのほか、がんワクチンや遺伝性疾患の治療分野で注目を集めています。mRNAは負に帯電した巨大な分子であり細胞膜透過性が乏しいことから、細胞内に効率的に送達させるためにはデリバリー技術が不可欠です。現在は、mRNAのドラックデリバリーシステム(DDS) として主に脂質ナノ粒子(Lipid Nanoparticles; LNPs) が用いられています。この技術により、細胞外では分解されやすいmRNAを保護し、効率的に細胞内へ運搬することが可能となります。 mRNAを内部に封入したLNP製剤(LNP-mRNA) は様々な疾患に対する治療法として期待されていますが、製造および保管において、品質管理は非常に重要な課題となっています。LNP-mRNA製剤の品質は、その安全性、有効性、および安定性に直接影響を及ぼします。そのため、製剤の品質評価における適切な分析手法の開発は、製品の信頼性向上および規制基準への適合において必要不可欠です。 mRNAの純度を確認する方法としては、アガロースゲル電気泳動やキャピラリー電気泳動が挙げられますが、準備や分析に時間がかかることや、分離や感度が不足しているなどの不便な点があります。一方、マイクロチップ電気泳動システムMultiNA IIはゲル作成からサンプルアプライ、データ解析までを全自動で実施することができ、1サンプルの泳動時間も約100秒と迅速な分析が可能です。本アプリケーションでは、MultiNA IIを用いてLNPに内包されているmRNAとLNPから抽出したmRNAを簡便かつ迅速に分析し、得られたデータを比較・評価しました。
2025.02.18
一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。