
陰イオン分析用サプレッサイオンクロマトグラフ HIC-ESP
- イオンクロマトグラフを用いて合成ペプチドの純度確認が行えます。 - トリフルオロ酢酸と塩化物イオンを同時に定量することができます。 - 医薬品に含まれる無機陰イオンの不純物測定など高感度分析と併用する場合はサプレッサ式、コストパフォーマンスを重視する際は装置構成がシンプルなノンサプレッサ方式と、目的に応じてシステムを選択することができます。
次世代の創薬モダリティとして中分子医薬品が注目を浴びています。中分子医薬品はバイオ医薬品よりも分子量が小さく、オリゴヌクレオチドを用いる核酸医薬品、ペプチド骨格をもったペプチド医薬品があります。そのなかでもペプチド医薬品は、低コストでの製造が可能であるうえ、分子量が小さいため細胞内に取り込まれやすく、特定の立体構造をとらせることで体内に取り込まれたときに分解を抑制することができるという利点があります。ペプチドは低分子医薬品と同様に化学的に合成することで製造されるため、最終合成品の精製、分取、純度確認が必須となります。 合成後のペプチドを固定相から抽出する際にトリフルオロ酢酸(TFA)を用いるため、回収されたペプチドはTFAがイオン結合したペプチド・TFA塩になります。凍結乾燥後のペプチドの重量にはこのTFAの重量も含まれ、実際のペプチドの含有量に大きな影響を与えます。またTFAはバイオアベイラビリティに影響を与える場合があり、塩酸塩などへ塩置換を行う必要があります。このため、合成ペプチドの純度確認には、カウンターイオンの定量が必須と考えられます。 本稿では、粗精製した直鎖型、環状型の合成ペプチドを用い、イオンクロマトグラフ(IC)を使用したカウンターイオンの分析例を報告します。
2025.02.12
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