
GCMS-TQ™8040 NX
- GC-MS/MSのMRMは2段階の質量分離により、尿中の夾雑物の影響を受けることなく、大麻成分および代謝物を検出することができます。 - MRMを用いることにより、尿中濃度1 ng/mLでも大麻成分および代謝物の検出に十分な感度を有しており、尿中大麻代謝物の微量定量に適しています。
近年、大麻の規制に関して変革が進んでおり、規制強化する方針と規制緩和する方針で二極化しています。日本では、「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」が成立し、2024年12月12日からその一部が施行されました。大麻の産業利用と医療用途での活用が法的に認められるようになる一方で、濫用による保健衛生上の危害を防ぐため、有害な大麻成分の規制および施用については規制が強化されました。 大麻に含まれる主要な規制成分はΔ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)ですが、本改正により製品中に含まれるΔ9-THCの残留限度値が設けられ、油脂及び粉末は10ppm、飲料などの水溶液は0.1ppm、それ以外は1ppmと規制が緩和されている諸外国の基準値よりも数百~数万倍も低い限度値に設定されています。 これらの限度値から推測できるように、施用罪についても限度値が低く設定される可能性が高く、より高感度な分析が要求されます。 Δ9-THCは生体内で代謝され、主要な代謝物であるΔ9-OH-THCおよびΔ9-THC-COOHおよびそのグルクロン酸抱合体として、尿や糞便で排泄されます。そのため、施用の証明を行うには尿中の代謝物を測定する必要があります。 本アプリケーションでは、尿中のTHCおよびその代謝物について前処理の検討を行い、GC-MS/MSで測定した結果について紹介します。
2025.01.28
一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。