3Flex
吸着測定におけるフリースペースの決定方法とヘリウムの使用量削減方法
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ユーザーベネフィット
- フリースペースの計算モードを利用することで、ヘリウムを消費せずに測定時間を約20分短縮できます。 - 予め使用するセル毎にヘリウムを用いたフリースペース測定を1回だけ行えば、その情報を継続使用可能です。
はじめに
固体材料の比表面積や細孔分布を測定するための手法で最も普及しているのはガス吸着法であり、検出法としては静的容量法(以下容量法)が主流になっています。トライスターII plus 3030(以下トライスター)や、3Flexなどもこの容量法を採用しています。典型的な例として、トライスターの配管構造図を示します。容量法では、吸着前に導入したガスの量と、吸着平衡に達した後に残存するガスの量の差から吸着量を求めます。吸着前後のガスの量はそれぞれ状態方程式から求めますが、その際に圧力と温度と共に空間の体積が必要になります。この空間の体積をフリースペースと呼びます。 トライスターや3Flexでは、フリースペースを得るために測定モード、計算モード、入力モードの3つの方法があります。本報ではこの3つの方法の違いを示すと共に、近年入手が難しいヘリウムガスの使用量削減の可能性についても説明します。
2024.08.27