DTG-60/60Hシリーズ
炭酸カルシウムの結晶多形に関する熱的特性評価と定量
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ユーザーベネフィット
- DTG-60により炭酸カルシウムの結晶多形の熱的挙動を確認することができます。 - FTIRのATR測定によって炭酸カルシウムの結晶多形を短時間で解析できます。 - 複数の結晶多形が含まれる場合でも、FTIRの微分スペクトルを用いることで近接したピークを分離して定量できます。
はじめに
CO2吸収コンクリートは、カーボンニュートラルの実現に向けて活用が期待される革新的な建設資材です。コンクリート中のカルシウムを炭酸化し、炭酸カルシウムとする ことでCO2を取り込み、硬化する過程で固定化させることができます。これにより、地球温暖化の抑制に貢献することができます。 炭酸カルシウムには カルサイト、アラゴナイト、バテライトの3種類の結晶多形があります。粒子径や粒子形状の違いはコンクリートの強度にも影響するため、結晶多形の比率を把握し管理することは重要です。また、CO2固定化の観点では、熱分析によってCO2の固定量や固定の長さがわかるため、熱的な挙動も重要な情報と言えます。 本稿では、示差熱・熱重量同時測定装置DTG-60を用いて、炭酸カルシウムの結晶多形の定性分析と熱的な特性評価を行い、フーリエ変換赤外分光光度計IRTracer-100を用いて炭酸カルシウムの結晶多形の定量分析を行いました。
2024.08.07