代謝経路解析シミュレーションによるバイオモノづくり研究の促進

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ユーザーベネフィット

- SIMCA 18の空間スコア探索機能とマルチオミクス解析パッケージの代謝経路解析機能を統合することで、代謝経路をシミュレーションし、実験計画の立案が可能となります。 - マルチオミクス解析パッケージを用いることで一次代謝物測定データだけでなく、細胞や培地に関するデータを読み込み、特徴量の多い測定項目(デジタルバイオマーカー)を検出できます。

はじめに

バイオモノづくりとは、生物学的なプロセスを活用して有用な製品を生産することを指します。この技術は、化石燃料を使った高温高圧での反応プロセスなどの従来の化学合成と比較して環境への影響が少ないため、持続可能な製品開発の中心となっています。例えば、バイオディーゼル燃料は、再生可能な原料から製造されるため、化石燃料と比較して環境に優しいエネルギー源として注目されています。また、バイオプラスチックは、従来のプラスチックよりも分解性が高く、リサイクル性に優れています。 代謝経路解析は、生物が栄養を取り込んでエネルギーを生産するための過程を理解することであり、バイオモノづくりにおいて欠かせないツールです。例えば、微生物を用いて糖からエタノールを製造する際、微生物の代謝プロセスを理解することが重要となります。この過程を理解することで、製品の生産プロセスの最適化が可能となります。 一方で、代謝経路解析には膨大なデータ処理や専門知識が必要となるため、専門家の支援が不可欠です。バイオモノづくりの発展を促進するためには、適切な専門家との協力が不可欠であるとされています。 これらの課題を解決するため、本報ではメタボロミクス前処理自動化装置SPL-M100を搭載したガスクロマトグラフ質量分析計GCMS-TQ8040 NXで菌細胞や培地上清の代謝物を測定した後、マルチオミクス解析パッケージで代謝経路解析を実施しました。マルチオミクス解析パッケージを用いることで、深い知識を必要とせず、代謝経路を用いた相関解析などが可能となります。

2024.07.31