TD-30とGCMS-QP2050によるVDA278に準拠した自動車内装材から放散するVOC及びSVOCの分析

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ユーザーベネフィット

ーGCMS-QP2050は、新型インターフェースにより高沸点成分でも良好なピーク形状と感度を得ることができます。 ーサーマルデソープションシステムTD-30Rと組み合わせることでVDA278に準拠した分析が可能です。 ーTVOC計算ツールにより、簡単にVDA278に従った定量値(トルエン換算値、ヘキサデカン換算値)の算出が可能です。

はじめに

近年、車室内の発生ガスの低減に対する取り組みが進められており、ドイツでは自動車内装材から発生する揮発性有機化合物(VOC)や中揮発性有機化合物(SVOC)を分析するための規格であるVDA278が作成されています。VDA278は測定試料となる自動車内装材をTD用ガラス管チューブに充填し、TDで加熱することで、試料から発生したVOC(-C25まで)やSVOC(C14-C32)をGC-MSに導入し分析します。このように自動車内装材中のVOCやSVOCを簡便かつ迅速に分析することが可能ですが、固体サンプルの直接加熱により高沸点化合物も同時に装置に導入されるため、MS部の汚染が問題になっていました。 GCMS-QP2050は汚れに強い新型イオン光学系を搭載しており、MS部の汚染を極限まで低減することが可能です。また、新型インターフェースの搭載により従来吸着を起こしやすかった化合物であっても良好なピーク形状と感度を得ることができるため、高沸点化合物を含むSVOCの分析にも最適です。 本稿ではGCMS-QP2050とNexis™GC-2030、サーマルデソープションシステムTD-30Rを組み合わせることで、VDA278に準拠した自動車内装材中のVOCおよびSVOCの分析を試みました。

2024.04.23

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