MultiNA (マルチナ)
マイクロチップ電気泳動を用いたエンドポイントPCRのさらなる高速化
ユーザーベネフィット
- 迅速にエンドポイントPCRを行うことができます。 - 電気泳動の操作は全自動であるため準備から検出まで大幅に省力化できます。 - アガロースゲル電気泳動・エチジウムブロマイド検出よりも高感度であるため少量のPCR産物でも検出できます。
はじめに
従来、PCRと言えば、DNAの増幅の完了(エンドポイント)を電気泳動などで確認するPCRのことを指していました。定量的なリアルタイムPCRと対照的にエンドポイントPCRは定性的ですが、対象サンプル中に特定DNAの存在の有無、病原性原因遺伝子の検出など様々な場面で使用されています。 一般的なエンドポイントPCRのサイクル数は20から30サイクルくらいで反応終了までにおよそ1時間から2時間を要します。さらにアガロースゲル電気泳動はゲルの作成から結果を得られるまでにおよそ3時間以上を要します。 プロメガ社のGoTaq Rapid PCR Master Mixは酵素、dNTPおよびバッファー類がすでに混合されているマスターミックスなので鋳型DNAとオリゴヌクレオチドプライマーを添加するだけでPCR反応液が調製できます。一方、エッペンドルフ社のMastercycler X50s Thermal cylcerはおよそ10℃/sec加熱速度とおよそ5℃/sec冷却速度が可能であり両者の組み合わせでおよそ15分でエンドポイントPCRを実行することができます(増幅サイズや機器に依存)。マイクロチップ電気泳動装置はアガロースゲル電気泳動と同等の分析を全自動で実行できる分析装置です。ゲルを作成する必要がなく、専用の試薬キットと分析サンプルを装置にセットするだけで分析を行うことができます。 本稿ではプロメガ社のGoTaq Rapid PCR Master Mixとエッペンドルフ社のMastercycler X50s Thermal cylcerを用いて増幅したPCR産物を調製し、島津製作所のマイクロチップ電気泳動装置MCE-202 MultiNAで分析した高速エンドポイントPCRについて紹介します。
2023.09.12