石油化学
水素化物発生-原子吸光法による高純度金属銅中のヒ素分析
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はじめに
銅鉱物にはその生成過程において、ヒ素成分が一定量含まれている場合があります。製錬の工程で必要に応じてヒ素の除去処理が行われますが、銅中のヒ素濃度を管理するために、より高感度な分析方法が求められます。 ヒ素の高感度な分析法の一つに原子吸光法の水素化物発生法があります。ヒ素、セレンなどの元素を塩酸と還元剤(水素化ホウ素ナトリウム)で生成された水素と反応させ、気体状の水素化物を発生させて分離する方法です。そのメリットとして、通常のフレーム法に比べ感度が 1000 倍程度向上し、測定溶液中で 1 ppb 程度から定量が可能といった利点を持ちます。 ここでは、水素化物発生法を用いて、純銅中微量ヒ素の含有量分析を行いました。前処理の段階でヒ素の水素化物発生の妨害となる銅を沈殿分離することにより、銅中のヒ素を容易に高感度で測定できましたのでご紹介します。
2020.09.11