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ユーザーベネフィット

- 海水のような無機塩類濃度が高い試料でも、塩類の影響を受けることなく精度良く無機体炭素(IC)を測定可能です。 - 1試料およそ15分の短時間でIC濃度を測定でき、高精度に全炭酸濃度を評価できます。 - オートサンプラASI-Lを使用すれば、多検体の試料を自動測定できます。

はじめに

大気中のCO2 増加による地球温暖化が世界的に問題となっています。対策として期待されている方法の一つに、海洋生態系による炭素の固定化(ブルーカーボン)があります。海洋には、森林などの陸域より遥かに多くのCO2が吸収されていると見積もられており、地球温暖化への寄与が大きいことから、海中への炭素の固定化技術が注目されています。 海洋のCO2 吸収量の評価には全炭酸濃度(CO2, HCO3-,CO22-の総和)がよく用いられます。現在はCO2検出に電量滴定法を用いた測定法が最も一般的ですが、島津燃焼酸化式全有機体炭素計TOC-Lでも全炭酸濃度の評価が可能です。TOC-Lは無機体炭素(IC)を定量でき、それを分子量で換算することで全炭酸濃度が得られます。 TOC-Lは、オートサンプラASI-Lを使えば多検体の試料を自動測定できるほか、1試料およそ15分の短時間で測定できます。また、海水のような無機塩類濃度が高い試料でも、塩類の影響を受けることなく精度よくIC濃度を測定できます。 今回、島津燃焼酸化式全有機体炭素計TOC-Lを用いて、海水の全炭酸濃度を評価した例をご紹介します。

2023.04.25