化粧品中のグリチルリチン酸ジカリウム およびトラネキサム酸の分析

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ユーザーベネフィット

- 簡便な前処理で、化粧品中のグリチルリチン酸ジカリウム、トラネキサム酸の同時分析が可能です。 - 夾雑成分が多いサンプルでもフォトダイオードアレイ(PDA)検出器による紫外可視吸収スペクトル情報を用いることで定性能力を向上させることができます。

はじめに

グリチルリチン酸は、生薬として知られる甘草(カンゾウ)に含まれる成分の一種であり、一般的に抗アレルギー、抗炎症、解毒作用などの薬理作用があることが知られています。グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)などの塩は、市販薬のほか、化粧品、シャンプー、歯磨き剤などの幅広い製品に利用されています。また、トラネキサム酸(TA)は、人工的に合成されたアミノ酸の一種で、一般に抗炎症・止血などの薬理作用があることが知られており、美白有効成分として化粧品にも利用されています。一般的にTAは極性が高くODSカラムでは保持し難い傾向があることに加え、塩基性化合物であるためテーリングが起こりやすい性質があります。一方で、GK2はODSカラムでは比較的保持が強い化合物です。そこで本稿では、これら2成分を同時に分析するために過塩素酸ナトリウムを用いた化粧品中のTAおよびGK2の分析例をご紹介します。

2023.04.12