PPSQ-51A/53A
プロテインシーケンサでの塩基性アミノ酸の収量の改善
ユーザーベネフィット
- 簡単な前処理操作で、塩基性アミノ酸のエドマン分解後の収量を改善することができます。 - 塩基性アミノ酸の収量を改善することにより、ソフトウェアによる自動推定を簡単に行うことが可能です。 - 得られるPTH-アミノ酸の収量が改善されることで、確実なアミノ酸配列の同定が可能です。
はじめに
バイオ医薬品は、バイオテクノロジーの技術を利用して開発、製造された医薬品です。バイオ医薬品の中には、タンパク質性医薬品、抗体医薬品などが含まれます。バイオ医薬品の生産には製造、精製、製剤設計、貯蔵などの複数の工程があります。バイオ医薬品の品質を保証するには、製品に関する品質試験を行うだけではなく、原材料や製造プロセスに起因する影響も考慮しなければなりません。そのため、医薬品の製造管理や品質管理においては、化学合成品の低分子医薬品とは異なった品質管理が必要となります。現在、バイオ医薬品には、品質評価のためのガイドラインがあります。その中に特性解析が必要とされており、その一つにN末端アミノ酸配列分析があります。この分析は、遺伝子配列から推定されるN末端アミノ酸配列と製造されたバイオ医薬品のN末端アミノ酸配列とを比較、確認するために行われます。エドマン法を用い、タンパク質のN末端側からアミノ酸を順次に切断して、アミノ酸配列を決定する方法で、信頼性の高いアミノ酸配列結果を得ることが可能です。この手法を自動化したシステムがプロテインシーケンサ PPSQ-50Aシステムです(図1)。この装置では、目的のタンパク質およびペプチドのN末端側からのアミノ酸配列を容易に同定することができます。しかし、タンパク質・ペプチドのエドマン分解後に得られるPTH-アミノ酸の収量はアミノ酸の種類によって異なります。特に塩基性アミノ酸(アルギニン、ヒスチジン、リジン)の収量は、サンプルのアミノ酸配列や状態によりかなり低くなり、アミノ酸配列の推定に影響を及ぼす可能性が考えられます。 今回、この塩基性アミノ酸のエドマン分解後の収量を改善するメソッドを開発しましたので、本稿にご紹介いたします。
2023.03.23
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