GCMS-TQ™8040 NX
GC/MSを用いた遺伝子変異ショウジョウバエのメタボロミクス差異解析
ユーザーベネフィット
- マルチオミクス解析パッケージを用いることで、GC/MSにより得られた測定結果を簡便に可視化できます。 - 主成分分析、階級的クラスタリング、ボルケーノプロットおよび代謝マップなどの統計手法が利用でき、サンプル間の差異を見つけることができます。
はじめに
遺伝子変異とは、細胞内のDNA塩基配列の変化や欠損のことであり、先天的な変異と後天的な変異に分かれます。先天的な変異は、体を構成するすべての細胞にみられる変異で、親から子へと世代に跨って受け継がれます。一方、後天的な変異は、喫煙などの生活習慣や紫外線などの環境要因によって引き起こされます。 自然に発生する遺伝子変異は、細胞分裂・増殖に影響し、がんの要因となったり、代謝異常による重大な疾患を引き起こしたりします。一方で、人為的に遺伝子を組み替える技術は遺伝子組み換え食品などに応用されており、別の生物由来の遺伝子を挿入することや、逆にもとの遺伝子の機能を抑制することも可能です。 また、生命維持のために必須である代謝物の種類や濃度は、個人の健康状態や体質などに影響されるため、様々な病気の兆候を示すバイオマーカーとして注目されています。 代謝物は生活習慣に加えて、遺伝子にも由来することから、代謝物とゲノム情報の統合解析は、疾患の治療薬開発や個別化医療につながる可能性のある重要な基礎研究とされています。そこで、遺伝子変異が代謝物に及ぼす影響を調べる手法が重要になります。 本アプリケーションでは、黄色ショウジョウバエに長寿命となるような遺伝子変異を起こし、野生型および変異型ショウジョウバエの代謝物をガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)で測定しました。測定結果から野生型と変異型の差異を見つけるため、「マルチオミクス解析パッケージ」を用いて解析しました。 マルチオミクス解析パッケージは多変量解析(主成分分析や階級クラスター分析など)やボルケーノプロット、代謝マップなどのデータ可視化機能を備えた解析ソフトウェアです。これらの統計手法を用いて、野生型と遺伝子変異型のショウジョウバエを比較し、代謝物に関する違いを解析した分析例をご紹介します。
2023.03.22
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