
Py-Screener Ver.2
フタル酸エステル類は樹脂の可塑剤として使用されていますが、生殖毒性が懸念されることからRoHS指令で規制対象成分への追加が決定するなど規制の厳格化が進んでいます。輸血用バッグや輸血用チューブなどの医療用具においてもフタル酸エステル類のDEHPが広く使用されてきましたが、内容物への溶出、移行が問題視されており、各国での通達 (2002年 日本 厚労省、米国 FDA、2005年 欧州 EFSA、2013年 ドイツ BfR)により、フタル酸エステルフリーの医療用具の使用が推奨されています 。医療用具の分野ではフタル酸エステルの分析法としてソックスレー抽出-GC/MS法や浸漬抽出-GC/MS法等が用いられてきましたが、一連の作業に数時間を要する場合があります。Py-GC/MS法は有機溶媒が不要で、短時間で試料調製ができる新しいフタル酸エステルのスクリーニング法として国際分析規格IEC62321 Part8に採用予定です。当社では本分析法のシステムをPy-Screenerとして提供しています。 本アプリケーションデータシートでは、 Py-Screenerを様々な医療用具の分析に適用しました。Py-Screenerの高速スキャンモードを利用したScan/SIM同時分析メソッドを用いて、SIMによりフタル酸エステルを高感度にスクリーニングし、同時にScanデータの情報からフタル酸エステル以外の添加剤を定性解析した結果を紹介します。
2017.02.06
一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。