ヒト炎症性大腸炎のMSイメージングと セグメンテーション分析

ユーザーベネフィット

－ MALDI-7090の高速かつ高空間分解能の画像解析により、細胞に近いレベルで結腸の構造を調べることができます。 － 直観的に使用できるIMAGEREVEALTM MSを用いたセグメンテーション分析を用いて、顕微鏡所見で裏付けられる重要な組織内領域を同定することが可能です。

はじめに

潰瘍性大腸炎（UC）やクローン病（CD）などの炎症性腸疾患（IBD）は、病因が不明な慢性の再発性炎症状態です。 現在の治療法は普遍的に効果的ではなく、深刻な副作用をもたらす可能性があります。したがって、正しい治療法を適用するためには、病気の種類を早期に発見して正確に特定することが重要です。 結腸組織は複雑で、さまざまな種類の細胞が含まれているため、診断と予後を改善するには、細胞固有の分析ツールが必要です。脂質のMALDIイメージング質量分析は、組織の代謝段階を特定するのに役立つ分子署名とその分布を組織切片から直接取得できるため、このような分析を容易にする可能性があります。 光学顕微鏡と組み合わせたMALDIイメージング解析は、組織構造の病理学的変化に関与する分子種への価値ある洞察を提供することができますが、IBDを特徴付ける代謝変化のより良好で完全な理解のためには、コンピューターによるさらに高度なデータマイニングが必要と思われます。

2023.01.25