卓上MALDIイメージングキット
卓上型MALDI-TOFMSを用いたタンパク質およびペプチドのMSイメージング
はじめに
MALDI-TOFMSによる質量分析イメージングは、サンプル上のさまざまな位置で数千の個々のマススペクトルを収集可能な質量分析計を用いたパワフルな技術です。測定に続いて、専用のソフトウェアを使用すると、検出されたイオンを二次元の擬似カラー画像として空間的に表現することが可能で、試料/組織内における重要な分子の分布を可視化することができます。 卓上型リニアモードMALDI-TOFMSであるMALDI-8020は、ラット脳内の脂質などに関して良質なMSイメージを生成することができます。本装置ではサンプルプレートの迅速な交換が可能であり(3分未満)、また電圧印可など測定準備時間が短いため、スペクトルの積算スタートまで時間を要しません。この点は、マトリックス塗布などイメージング実験条件の最適化をする際に有利です。この卓上型装置を用いて、指紋、大豆およびPETフィルムなどの分析を行い(アプリケーションニュース01-00389-JP、01-00392-JP)、多様な標的分析物に対するMALDIイメージングの例が示されています。本稿では、このリニアモード専用機を用いたラット脳組織分析を例として、組織切片中のタンパク質およびon-tissue消化後のペプチドに関して、クオリティの高いマススペクトルとMSイメージを容易に得ることができる一連のプラットフォームの能力を示します。
2023.01.25
関連製品
一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。