粒度分布測定におけるサンプリングエラーについて

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はじめに

レーザ回折式粒度分布測定装置は分解能の高さや迅速な測定,そして優れた再現性等を特長とする粒度分布測定装置ですが,試料の取扱いを誤ってしまうとその性能をフルに引き出せないことがあります。 粒度分布測定装置ですから,測定対象は当然,色々な大きさの粒子を含んでいます。オペレータは,測定対象試料から装置に投入すべき少量の試料を採取する場合,全ての粒子を均等にサンプリングするよう,すなわち,サンプリングの段階で試料の粒度分布を変えてしまわないように注意をしなければなりません。 湿式分散の方式で測定を行う場合,一般的にはビーカなどの容器中で試料懸濁液を調製し,ここから少量の懸濁液を採取して測定装置に投入するということが行なわれます。この方法は,外部の分散機(超音波バスや超音波ホモジナイザ)が使用できるなどのメリットを生みますが,試料によってはサンプリングの問題を引き起こすことがあります。試料の密度が大きい時や粗大粒子を含んでいる場合がそれに当たります。 今回のニュースでは,どのようにサンプリングエラーが起るのか,また,どうすればそれを防いで良い測定結果を得ることができるのかを解説いたします。測定装置としては島津のスタンダード機であるSALD-2200を使用しました。

2008.01.13