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はじめに

粉ミルク(乳児用調製粉乳)は,牛乳を出発原料とし,成分の一部を改質したり,乳児にとって必要な様々な成分を添加したりしたものです。出発原料が牛乳ですから,主成分のひとつは脂肪球です。 粉ミルクをお湯に溶かして利用する状態では,この脂肪球がお湯の中に浮遊している,いわゆる,O/Wエマルジョンの状態です。この脂肪球の粒度分布は,レーザ回折・散乱法を用いて測定することが可能です。 脂肪球の粒度分布は,体内での消化吸収性等に一定の影響を与えることが考えられるので,品質管理上評価が必要な物性値のひとつとなります。 本報では,島津ナノ粒子径分布測定装置SALD-7100を用いて,メーカの異なる2種類の粉ミルクの測定をおこなった結果を紹介します。また,粉ミルクを溶かすときのお湯の温度の違いによって,脂肪球の粒子径に違いが出るかどうかについてもテストしましたので,その結果も紹介します。

2011.07.24

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