動的画像解析法によるバイオ医薬品中の不溶性微粒子評価

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はじめに

バイオ医薬品は病原を特異的に攻撃できるため,副作用が少なく,効果が大きい一方、低分子医薬品と比較するとストレスに弱く,凝集しやすいという性質があります。バイオ医薬品がストレスにより凝集などを起こすと,薬品としての効果の低下・消失だけでなく,免疫反応によるショック症状など重篤な副作用の可能性が指摘されています。 現在、バイオ医薬品の一種であるタンパク質製剤の凝集体評価に関し、米国薬局方や日本薬局方では、10μm以上の不溶性微粒子について光遮蔽法(Light Obscuration, LO法)で評価するよう定められています。 近年、マイクロメートルオーダーの不溶性微粒子の評価ついては、光遮蔽法と比較して、透過性の高い粒子への感度が高く、また画像から粒子の分類も可能な動的画像解析法(Flow Imaging, FI法)により評価した事例が報告されています。 ダイナミック粒子画像解析システム iSpectTM DIA-10は動的画像解析法に基づいており、液体試料中の粒子画像取得、粒子径分布・粒子濃度・形状測定を行う装置です。サンプル使用量が少なく(最小測定量50μL、デッドボリューム50μL以下)、見逃しが少ない光学系(撮影効率90%以上)となっており、バイオ医薬品の不溶性微粒子評価に適しています。ここではiSpect DIA-10を用いてタンパク質溶液中の凝集体のサイズおよび濃度を評価した例を紹介します。

2021.07.31

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