Q127 金属3Dプリンタ用粉末の品質評価 –円形度とタップ密度の関係–

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はじめに

金属3Dプリンタ用の金属粉の特性や均一性は成形物の品質に影響を与えます。粒子特性の一つに粒子の球形度があり、粒子が球形に揃っているほど、流動性が高くなり、密なパッキングが得られます。一方、異形粒子の存在は成形物の欠陥・機械特性不良・表面の外観不良の原因となる可能性があります。 数十 µm オーダーの粉末の形状評価としては走査電子顕微鏡が用いられますが、観察視野が狭いため測定時間が長くなり、計測数を十分に確保できない、といった問題があります。一方、動的画像解析法は短時間で定量的に多数の粒子の画像を得ることができるため、形状評価を迅速に行う目的に適しています。 ダイナミック粒子画像解析システム iSpect™ DIA-10は、動的画像解析法に基いて、液体試料中の粒子画像を取得し、粒子径分布・粒子濃度・形状測定を行う装置です。見逃しが少ない光学系(撮影効率 90 %以上)により、数分で数万個の粒子の解析が可能です。 また一般的にタップ密度測定は手動で実施されていますが、かさ密度/タップ密度測定装置 GeoPyc™ 1365(島津サイエンス東日本(株)取扱品、以下 GeoPyc)を用いることで、測定者による誤差を防ぎつつ、短時間で測定することが可能です。 本稿では、球状化処理前後の SUS316L の粉末について、iSpect DIA-10 を用いて円形度を、GeoPyc を用いてタップ密度を評価した事例を紹介します。

2021.07.31

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