高濃度シリカナノ粒子スラリー中の粗大粒子の濃度評価 –動的画像解析法による異物検出–

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はじめに

シリカは半導体などの電子部品の封止材や塗料の充填剤など幅広い分野で用いられています。シリカに意図しない粗大粒子(異物や凝集物)が含まれている場合、電子部品においては成形不良・絶縁不良・電気特性不良の発生、塗料においては塗膜の強度低下・ムラの発生などの不良原因となる可能性があります。 シリカのサイズ評価にはレーザ回折・散乱式粒子径分布測定装置(以下、LD)や走査電子顕微鏡(以下、SEM)などが用いられています。しかし、LD の場合は微量の粗大粒子の感度が低いこと、SEM の場合は観察視野が狭いため測定時間が長くなり、計測数を十分に確保できないうえに、濃度情報が得られない、といった問題があります。一方、動的画像解析法は短時間で定量的に多数の粒子の画像を得ることができるため、微量な粗大粒子の検出および濃度評価を迅速に行う目的に適しています。 ダイナミック粒子画像解析システム iSpect™ DIA-10は、動的画像解析法に基づき、液体試料中の粒子画像を取得し、粒子径分布・粒子濃度・形状測定を行う装置です。見逃しが少ない光学系(撮影効率 90 %以上)で数分で数万個の粒子の解析が可能です。またマイクロセル方式を採用しており、サンプル容器内では白濁して光を透過しないような試料でも測定できることがあり、原液ないしは低希釈率で測定することで、前処理の手間や希釈による試料への影響を少なく出来る可能性があります。ここでは、iSpect DIA-10 を用いてシリカナノ粒子スラリー中の粗大粒子濃度を原液のまま評価した事例を紹介します。

2021.07.31

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