自己修復型多機能薄膜(生物模倣素材)の評価 -その 2- 成分分析と物性評価

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はじめに

生物が持つ機能や構造を模倣し、技術開発やものづくりに生かす分野として、Biomimetics(生物模倣)が注目されています。屈折率をゆるやかに変化させる蛾の目の微細構造を模倣して作られた反射防止フィルムや、流体抵抗を低減するサメ肌の表面構造を模倣した競泳用水着など、身近なものとして新たな機能を持った製品が実用化され、今後もより優れた機能を持つ新素材の開発が期待されています。 生物が自然に獲得した優れた機能や形状を人工的に模倣するためには、生物における生体機能、形状、素材成分、生態などを明らかにする必要があります。また、それらを模倣し、新素材を開発する過程においては、目的とする物質の成分や物性を評価する手法が必要となります。 本稿では、魚類体表を模倣して開発された自己修復型多機能薄膜の修復箇所の成分分析を赤外顕微システムにより、物性評価を微小硬度計により行いました。

2021.03.30