ケモメトリクスを用いたFTIRによるパーム油中のラードの定量分析

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はじめに

異物や他成分の食品への混入は、偶発的または意図的に起こり得る問題です。食品の中で、食用油は最も偽装が行われやすく、これは経済的および宗教的観点からも人々への多大な影響があります。例えば、イスラム法では、イスラム教徒はラードを含む食用油をはじめ、いかなる形態の豚肉の摂取も禁止されています。したがって、ラードが混入した食用油を判別することや、ラードを定量するための分析技術の開発が求められています。 赤外分光法は、有機化合物それぞれが異なるスペクトルを示すため、食用油中の成分を識別できる効果的な手法です。また、赤外分光法で得た赤外スペクトルをケモメトリクス(多変量解析)の PLS 法や重回帰分析により解析することで、多成分の定量を迅速に行うことが可能です。 本稿では、ケモメトリクスの PLS 法を用いた FTIR によるパーム油中のラードの定量分析を行いました。なお、パーム油はアブラヤシの果実から得られる植物油、ラードは豚の脂肪組織から精製される動物油です。

2020.07.07

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