
環境
紫外可視分光光度計での溶液測定は,一つのセルを共洗いしながら測定していくため時間がかかります。このため多数の検体を試験管等に入れたままで迅速に測定する場合は,旧来よりシッパー付属装置が用いられてきました。ただし従来のしごき方式のシッパーではチューブが酸や有機溶媒に弱く,そのための特別な対策を施さなければならないという難点がありました。さらにしごき方式での一回の吸引量は,チューブをしごく“時間”で見積っていますが,チューブの劣化等でこの吸引量が変化してしまうという問題点もありました。この二つの難点を克服したのが,今回ご紹介するシリンジシッパーであり,ほとんどの溶媒に耐性があり,且つ厳密な定量性を保証します。本ニュースでは,シリンジシッパーの説明とそのキャリーオーバー(前の試料が次の試料に混入することによる測定値の誤差)を評価した例をご紹介致します。
2003.04.01