赤外顕微鏡AIM-9000 によるマイクロプラスチックの分析

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はじめに

大きさ数μm~数mm程度の微細なプラスチックをマイクロプラスチックと呼びます。近年、このマイクロプラスチックが沿岸及び海洋の生態系に悪影響を与え、ひいては人間の健康にも潜在的に影響を及ぼす可能性がある海洋環境問題として、世界的な課題となっています。このような背景を受け、マイクロプラスチックについては、日本近海に加え、日本から南極に至る広範な海域においての分布調査やマイクロプラスチックに吸着している PCB 等の有害化学物質の量を把握するための調査が実施されています。また、洗い流しのスクラブ製品におけるマイクロビーズの使用中止を促す取り組みも行われています。 マイクロプラスチックは一次と二次の2 種に分類されます。一次マイクロプラスチックは、工業用研磨剤やスクラブ剤などに原料として使用されるものを指し、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)がよく使用されます。一方、二次マイクロプラスチックは、大きなプラスチック製品が紫外線等の外的要因により 5 mm 以下の大きさに微細化したものを指し、多種のプラスチックが対象になります。 マイクロプラスチックの分析には、有機化合物の定性を得意とするフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)が適しています。試料のサイズが 100 μm 以下と微小である場合には、赤外顕微鏡が有効です。 ここでは、赤外顕微鏡を用いた一次および二次マイクロプラスチックの分析例を紹介します。

2021.03.30

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