生物模倣(Biomimetics)を用いた構造色を有するフォトニクス材料の評価

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はじめに

色には色素など特定の色を吸収し、他の色を反射/散乱させることで発現するものと、微細な構造によって発現するもの(構造色)があります。自然界の生物には、この構造色を生み出し鮮やかな色合いを持つ生き物が、モルフォ蝶や孔雀、タマムシなど多く存在します。これらの生物の持つ機能や構造を模倣し、技術開発やものづくりに生かす分野として、Biomimetics(生物模倣)が注目されています。 アプリケーションニュース No. A502 ではモルフォ蝶の羽にある構造を模倣して生み出した多層膜の干渉による構造色を確認しました 1)。一方で、一部の鳥の羽に見られる鮮やかな色もまた構造色であり、例えば孔雀の羽毛の構造色はメラニン顆粒の配列に由来しているといわれています 2)。千葉大学大学院工学研究院共生応用化学コース 桑折道済 准教授は、ポリスチレン(PSt)粒子表面にメラニンに似たポリドーパミン(PDA)を被膜して作成したメラニン模倣粒子(PSt@PDA粒子)の大きさや黒さ、屈折率、配列を制御することで視認性の高い構造色を発現することに成功しています 3)。今回は、桑折道済 准教授の協力を頂き、構造色を持つフォトニクス材料の測定を行いましたのでご紹介します。

2017.09.11

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