赤外分光光度計(FTIR)と蛍光X線分析装置(EDX)の組み合わせによる樹脂中の無機系添加剤の分析

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はじめに

添加剤は、材料に機能性、加工性、安定性などを付与して製品の品質を向上させるものです。電子機器、食品、医薬品、化粧品、プラスチックなど幅広い製品に利用され、付加価値を高める重要な役割を担っています。 添加剤の分析においては、有機系添加剤か無機系添加剤かによって、分析のアプローチ方法が異なります。有機系添加剤の場合には、前処理で添加剤を抽出し、抽出したものについてクロマトグラフィーにより各成分に分離後、分離した成分ごとに適した分析機器を用いて定性を行うのが一般的な手法です。一方、無機系添加剤の場合には、元素分析と赤外分光分析あるいは形態観察などの結果から総合的に判断して物質を同定します。 ここでは、FTIRによって有益な情報が得られる代表的な無機系添加剤の分析例と、FTIRとEDXによる無機系添加剤を含んだ樹脂の分析例をご紹介します。

2015.04.26