
石油化学
ガス試料の場合,固体・液体試料と異なり,分子は自由に回転することができるので,振動状態の変化は必ず回転状態の変化を伴って起こり,振動スペクトルは回転スペクトルを伴ったものとして現れます。そのため,そこで得られる赤外スペクトルの吸収帯は,多数の微細構造からなる一群のスペクトルバンドとなるために,高分解能での測定が必要になるわけです。測定には,高い濃度のガスの場合,KBrやKRS-5板を窓材とするセル長10cmのタイプ,低濃度の場合は,10mまたは7.5mの長光路タイプを用います。 ここでは,FTIR-8500形を使用して10cmのガスセルを用い,自動車や工場からの排気ガスとして問題になっていますSOx,NOx等数種類のガス試料を測定しましたので,その赤外スペクトルを紹介します。
2021.03.30