マイクロプラスチックの測定と加熱劣化プラスチックライブラリの活用

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はじめに

大きさ数μm〜5 mm以下の微細なプラスチックをマイクロプラスチックと呼びます。近年、このマイクロプラスチックが沿岸及び海洋の生態系に悪影響を与え、ひいては人間の健康にも潜在的に影響を及ぼす可能性がある海洋環境問題として、世界的な課題となっています。地球環境を保護するためには早期の対処が必要であり、マイクロプラスチックの発生源の特定や、改善策の検討に各種分析装置が用いられています。 マイクロプラスチックは一次と二次の二種に分類されます。一次マイクロプラスチックは、工業用研磨剤やスクラブ剤などに原料として使用されるものを指し、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)がよく使用されます。一方、二次マイクロプラスチックは、大きなプラスチック製品が紫外線等の外的要因により5 mm以下の大きさに微細化したものを指し、多種のプラスチックが対象になります。 プラスチックの定性分析には一般にFTIRが用いられ、河川への流出の実態調査等に活かされています。ただし、実際のマイクロプラスチックの多くは環境中において主に紫外線により劣化しており、FTIRの標準的なライブラリを用いた解析では完全一致しない場合があります。 ここでは、大きさ数mm程度のマイクロプラスチックの測定と加熱劣化プラスチックライブラリの活用について紹介します。

2020.01.27

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