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はじめに

塩化ビニリデンがその代表的素材としてよく知られている食品包装用のラップフィルムは,厚さが10~20μm程度の薄いフィルムです。最近では環境にやさしい製品が消費者に好まれるため,塩素化合物製品の代替品が市場でも目を引きます。これらのフィルムは多層構造になっているものもあり,3層以上からなる場合は,フィルムの各層の成分を分析するには顕微FTIRよりもより空間分解能の高い顕微ラマンが有効な手段となります。 このような試料の場合,装置の性能を最大限発揮するためにも,フィルムをいかにうまくスライスするかが,分析の成否を大きく左右することになります。今回は,株式会社日本ミクロトーム研究所の協力をいただいてフィルム切片を作成し,3層フィルムについて測定した結果をご紹介します。

2001.04.08

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