
低分子医薬品
溶液の定量分析には光路長一定の固定セルによる溶液法がよく用いられます。しかし粘性のある溶液の場合,セルの洗浄に手間がかかり,また試料によっては注入しづらく,気泡が入りやすいため,正確に測定できない場合もあります。このような溶液の定量分析にATR 法は有効です。ATR 法では試料とプリズムの密着性が重要となりますが,液体試料の場合は滴下するだけでプリズムに密着するため簡便に測定できます。 今回は粘性のある溶液試料として,シリコンオイルの一種であるジメチコン( ジメチルポリシロキサン) のATR測定を行い, 良好な再現性が得られましたのでご紹介します。ジメチコンの分析は, 米国薬局方(United StatesPharmacopeia,以下USP)に記載されている手法に基づいています。
2021.03.30