ダイヤモンドプリズム水平形ATRの応用(その3) コンビナトリアル合成への応用

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はじめに

コンビナトリアルケミストリ(コンビナトリアル合成)は,近年多くの製薬メーカーがとりいれている新薬合成手法です。 この技術は,従来のひとつひとつの化合物を合成する手法に代わり,あらかじめ作りたい化合物のライブラリを設計し,自動合成装置を用いて,各種の試薬を一時に組み合わせて,一度に多くの新しい化合物を合成する手法です。 コンビナトリアル合成において固相合成法は比較的高純度の合成品が得られることや,他段の反応が行なえるなどのメリットがある一方で,反応過程でのモニターが困難であるというデメリットがあります。生成物の構造確認手法としては,質量分析法が多く用いられていますが,固相合成法ではレジンからの切り出しが必要となります。しかし,FTIRによれば,レジン上の生成物を切り出さずに直接構造確認ができるため,特に固相合成の検討時における構造解析手法として有効な手段になると考えられます。 ここではペプチド合成用のレジン(ビーズ)をATR法で測定した例をご紹介します。

2000.04.25