
UV-3600i Plus
固体試料や懸濁した液体など、散乱性のある試料測定では、一般的に積分球が使用されます。積分球は球形で、内壁が硫酸バリウムなど反射率の高い光散乱素材で作られており、取り込んだ光(測定光)を散乱させ均一にする効果があります。これにより散乱性のある試料を測定する場合も、試料からの透過光や反射光を高精度で検出することができます。 積分球を用いた測定で得られる試料の反射率は、標準白色板を基準とした相対反射率であるため、得られる値は標準白色板の反射率に依存します。そのため標準白色板が異なる場合や、同一の標準白色板であっても劣化などにより反射率が変化した場合は、試料の反射率が変わる可能性があります。 標準白色板には硫酸バリウム(BaSO4)の粉体を押し固めたものが一般的に使用されますが、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)の粉体や反射率が定まったフッ素樹脂系標準白色板なども使用されます。 今回は、標準白色板として硫酸バリウム、酸化マグネシウムの粉末試薬とフッ素樹脂系標準白色板を使用した場合の試料測定に与える影響を検証するため、紫外可視近赤外分光光度計 UV-3600i Plus と積分球付属装置ISR-603 を用いて様々な試料の反射スペクトルを測定した事例をご紹介します。
2020.10.19
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