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はじめに

私たちが日常様々な形で目にする印刷物について,その表面形態を原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope)により観察しました。ここではカタログ紙を取り上げ,インキの付着していないコート紙表面部と,インキが付着した印刷部を三次元観察し,更に,表面粗さ測定をしました。コート材料はX線回折装置で特定しましたが,印刷インキについては極めて多種多様な使い方をされており,本稿ではその特定をするのではなく,表面形態の違いとして捉えるに留めました。 表面観察の結果は,AFMが簡便な操作性と三次元測定器として,SEMなどにはない威力を発揮することが認められました。例えば,紙やインキのように導電性の無い試料であっても,SEM観察の時には必要であった金属のコーティングが不要であることや,SEMでは観察が困難な平坦な面の粗さ評価にも,優れた三次元の分解能で精細に観察することができました。

2021.03.28

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