
EPMA-8050G
- 燃料電池などのMEA(膜/電極接合体)を使用する工業製品の性能劣化の挙動を解析できます。 - MEAのコストダウン、長寿命化および高安定性に向けた研究開発や品質向上に活用できます。
水素イオン伝導性がある固体高分子電解質膜に電極触媒を接合した電気化学デバイスはMEA(Membrane ElectrodeAssembly:膜/電極接合体)と呼ばれ、燃料電池、水電解水素製造技術、除湿セルなど多方面で活用されています。 固体高分子電解質膜は、テトラフルオロエチレン(CF2-CF2)を主鎖とし、末端にスルホン酸基(-SO3H)を持つ側鎖で構成され、代表的な市販品としてNafionがあります。スルホン酸基は親水性があり加湿すると水分子が満たされます。ここに水素イオンが発生すると水分子と結合してオキソニウムイオン(H3O+)となり、隣の水分子を介して次々と飛び移ることで水素イオンが移動します。また、固体高分子電解質膜の両側にある電極触媒は主にPtが使われ、酸化還元反応を活性化させる働きがあります。 一方で、MEAのコストダウン、長寿命化および高安定性が重要課題になっています。例えば、温度特性などによる電解質膜の化学的安定性の低下や、触媒の凝集による性能劣化などが知られており、これらを抑制するために層構造、各元素の分布および劣化挙動の把握が求められています。今回、電子線マイクロアナライザEPMA(EPMA-8050G)を使用して、MEAの使用前の新品と性能劣化品を比較評価した分析例を紹介します。
2021.03.07
一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。