
KRATOS ULTRA2 (英国名AXIS Supra+)
- Arガスクラスターイオンを試料表面に照射することで、有機物表面の汚染物質やダメージ層を除去して清浄な表面を得ることができます。
XPS(X線光電子分光法:X-ray PhotoelectronSpectroscopy)は、物質表面約10nmに存在する元素の定性・定量分析に加え、化学結合状態の分析が可能な表面分析手法です。 XPSでは、試料表面にArイオンを照射してエッチングすることで、汚染物質の除去や深さ方向分析を行うことができます。エッチングには、単原子イオンとクラスターイオンの2種が用いられており、それぞれに長所と短所があります。従来からXPS深さ方向分析に用いられている単原子イオンは、無機物に対するエッチングレートは高いものの、試料へのダメージがあるため有機物への応用には制限があります。一方クラスターイオンは、無機物に対するエッチングレートは比較的低いものの、有機物のエッチングレートは単原子イオンと比較して高く、さらに、有機物に与えるダメージが著しく小さいことが知られています。 ここでは、Arガスクラスターイオンによって、有機物の母材にダメージを与えずに、表面のダメージ層を効率的に除去することが可能であるかどうかを実験した例を紹介します。
2021.09.08
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