
SPM-8100FM
私達は、物体の表面に指先を触れることで、粘り気が強いか弱いか、あるいは硬いか柔らかいかといった表面の物性を感覚的に捉えることができます。 走査型プローブ顕微鏡(以下SPM)では、指先よりはるかに小さいカンチレバーというセンサーを用い、その表面の形状と粘性や弾性の物性を同時に観察することができます。 カンチレバーは、針先のように尖った形状のチップを有し、その尖った先端で試料の表面を軽く叩き、その反動を調べる事で粘性や弾性といった性質を調べることができます。 本報告では、私達が日常使う粘着テープを三種類選び、その粘着面に着目してそれらの表面の違いを、形状と粘弾性から評価いたしました。 試料として①セロハンテープ②梱包に使用される粘着力の強いテープ、および、③何度も繰り返して貼り替えができる弱粘着テープを用いました。 観察には SPM の位相検出システムを使用し、更に、粒子解析ソフトウエアにより粘着力の強い部分の面積を求めています。 一般に、強い粘着面を観察する場合にはカンチレバーが捕捉されがちですが、SPM の安定したカンチレバー制御システムが、これを可能にしました。
2021.03.28
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