
低分子医薬品
エクソソーム(exosome) は, がんなどの診断マーカーとして研究が進められています。その大きさは10 nm から300 nm 程度ときわめて小さいものです。エクソソームの電子顕微鏡観察は多く実施されていますが,三次元観察とその物性計測がおこなわれた事例はきわめて少ないのが現状です。 エクソソームに限らず,生体のなかの微小な観察対象を探しだすことは容易ではありません。さらに物性計測を行なう場合はその対象を特定する必要があるために手法は限られてきます。従来の光学顕微鏡では対象の大きさから観察困難なものが多く,また電子顕微鏡は試料調製のわずらわしさや真空と電子ビームによる変質の問題があり,また物性計測も一般的ではありません。 今回は,複合型顕微鏡であるナノサーチ顕微鏡をもちいて,エクソソームの観察と硬さ測定を行なった事例を報告します。 ナノサーチ顕微鏡は,レーザー顕微鏡(LSM)と走査型プローブ顕微鏡(SPM)が高精度に複合した顕微鏡であり,微小な対象を特定し,さらにそのSPM 観察と物性計測を迅速に行なうことが可能となります。
2012.11.07