
SPM-8100FM
近年のiPS細胞を用いた再生医療の進歩は目覚ましく、臨床研究も報告されています。その中でiPS細胞は株由来や培養法によりコロニー形状や増殖速度などの性質が異なり、場合によっては癌細胞になるという報告があります。個性とも言えるiPS細胞の違いは多様な細胞への分化を左右するファクターの1つと推測でき、個性の解明は再生医療にとって大きな進歩となり得えます。しかし、何が個性をもたらしているのか未解明な部分が大きく、iPS細胞の利用において障害となっています。 そこで、アプリケーションニュースS381) では、走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope: SPM)を用いてiPS細胞とHeLa細胞の形状観察を行い、iPS細胞の細胞間接着がネットワーク構造であることを明らかにしました。 本報では、細胞の機械物性に着目し硬さを解析しました。HeLa細胞は硬い部分とやわらかい部分の差が少なく一様であることに対して、iPS細胞は細胞間接着部分が硬く、細胞体の部分がやわらかいことが示唆されました。
2019.10.03
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