銅電極上に存在するリチウム塩の分布、偏析および化学状態の分析

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はじめに

再充電可能な金属電池(Li、Na、Al など)は、エネルギー密度が高く、多目的に利用可能な電池として注目を浴びています。しかしながら、残念なことに、これらの電池には解決すべき問題があります。その一つに、充放電を繰り返したときに生じる堆積物(デポジション)や樹枝状結晶(デンドライト)の生成があります。デポジションフリーおよびデンドライトフリーのリチウム電池システムの実現に向け、新しい材料(3D 構造やカーボンナノファイバーなど)を使用した様々な研究がなされてきました。 ここでは、電極表面の異なる化学環境における電極表面のリチウムの分布を分析した例を紹介します。我々は、一般的に利用可能な表面分析手法(XPS)を使用し、表面に存在する物質の分布に関する定量的情報を得ました。またさらに、リチウムの 2 次元方向および深さ方向の分布を調べるために、X 線光電子イメージングおよびアルゴンクラスターイオンによるデプスプロファイリング測定も行いました。

2019.08.06