
inspeXio SMX-225CT FPD HR Plus
炭素繊維強化樹脂(CFRP)は、熱硬化性樹脂を炭素繊維で強化した複合材料で、軽量でありながら鉄と同等以上の強度と剛性を持ちます。CFRPは従来の金属材料や樹脂材料に比べると高額ですが、その優れた機械的特性から自動車分野を中心に産業用途での利用が拡大している材料です。 近年ではCFRPの生産性や加工性、リサイクル性などを改善した炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)の開発が進んでいます。CFRTPはCFRPよりも成形に要する時間が短く量産に適しているため、自動車業界を中心に利用拡大が期待されます。 CFRPとCFRTPは、従来の樹脂材料よりも優れた機械的特性を有しますが、製造過程で発生する内部の空伱やき裂が製品不良の原因となる点は従来と変わりありません。また、機械的特性は炭素繊維の配向によっても左右されます。CFRPとCFRTPの製品の品質を安定させるためには、樹脂内に空伱やき裂が存在しないか、繊維配向が設計通りにできているかを調べることが必要です。そこで、これらを調べる手段として、対象物の三次元構造を非破壊で観察できるX線CTシステムが利用されています。 本稿では、マイクロフォーカスX線CTシステムinspeXioSMX-225CT FPD HR Plusを用いて、CFRTP内部の空伱と繊維配向を観察した事例をご紹介します。
2020.09.29
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