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はじめに

米やパンなどの炭水化物には必ずデンプンが含まれています。デンプンを水とともに加熱すると、デンプン粒子が膨潤、崩壊し糊化が生じます。米を炊いたりパンを焼いたりすることで生まれる粘り気はこの糊化によるもので、糊化の特性はそのデンプンの種類や糊化する際の環境により変化します。また、糊化したデンプンを放置すると、膨潤したデンプン粒子内に存在するアミロースやアミロペクチンが会合と再配列により水分を放出することで、粒子そのものを堅くしていきます。この現象をデンプンの老化と呼びます。米やパンが日が経つにつれて固くなるのはこの老化による乾燥が原因であり、市販のパンやレトルトの米には老化速度を下げる工夫がされている場合があります。 本稿では、水と塩水を用いた各種デンプンの糊化特性の違いと、小麦デンプンを用いた食パンの日数経過による老化速度の違いについて、DSC測定により評価しました。

2021.07.30

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