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はじめに

でんぷんは水とともに加熱すると吸水して次第に膨張します。加熱を続けると最終的には粒子が崩壊し,溶解します。この現象を糊化といいます。さらに糊化する時,水とでんぷんの相互作用が深く関係し,水がでんぷん分子の中に取り込まれ,束縛された水が生成するといわれています。束縛された水は自由水と異なり,その融点は0℃よりも低い温度を示し,さらにその温度は相互作用の大きさによって変化することが知られています。 また,糊化したでんぷん溶液を冷却すると,水中に分散したでんぷん粒子が再び結晶化し,離水します。この現象を老化といいます。さらに老化の初期の段階では,まず結晶化しやすいアミロース部分で老化が起こり,その後,アミロペクチン部分の老化が長期的に進行していくと言われています。 ここではDSC-60と冷却オプションのTAC-60iを用いて,種々でんぷんの糊化と,サツマイモでんぷんとバレイショでんぷんの老化進行度合いによる束縛水の融点変化を測定しました。

2005.07.24

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