
食品・飲料
アミノ酸の立体構造を考えたとき、それらには鏡像異性体が存在し、それぞれL-アミノ酸(L-体)とD-アミノ酸(D-体)に区別されます。天然に存在するアミノ酸のほとんどがL-体であり、これまでD-体の機能についてはあまり注目されてきませんでした。しかしながら、近年、一部の食品、特に微生物が関与する醗酵食品において、D-アミノ酸が含まれていることが示唆され始め、その食品機能について注目が集まっています。そのような背景の中、筆者らはメタボロミクスで培った分析技術を応用して、高感度三連四重極質量分析計を用いて新規D-アミノ酸分析法を開発しました。本稿では、その手法を解説するとともに、醗酵食品分析への応用例についてご紹介します。
2021.02.02