質量分析イメージングによる米麹中のリン脂質およびグルコースの可視化

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はじめに

日本酒造りにおいて米麹は最も重要な要素の一つです。酒造りにおける米麴の役割は、主にデンプンとタンパク質の分解酵素の供給と考えられています。また、出来上がった米麴の成分は酒質(味や香り)に大きな影響を与えることもよく知られています。しかし、その品質の良し悪しの判断はこれまで杜氏の経験によるところが多く、科学的な知見が十分に得られている状況にはなく、開拓の余地が残された領域であると言えるでしょう。杜氏が米麴の品質を判断する際には、外観や触感という物理的な構造を指標の一つとしているようです。かつては、走査型電子顕微鏡を用いた米麴の内部構造に関する研究が行われていましたが、近年まで米麴の構造と成分の関連性を評価する研究はほとんど進められてきませんでした。本アプリケーションノートでは、構造と成分分布を同時に見ることが可能なiMScopeTM を醗酵の分野に応用し、米麴中の構造と成分分布の可視化を試みました。

2020.08.26

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