
食品・飲料
農薬一斉分析をモデルとした分離評価と多変量解析
GC,GC/MS での分析に用いられるキャピラリカラムでは,5%フェニル 95%ジメチルポリシロキサン液相を有する(または相当品と称する)カラムは汎用性が高く,多くの化合物分析に広く用いられています。 これらのカラムの多くは製品名に 5%フェニルの「5」という数字が入っており 5%フェニル系と称されています。DB-5 や Rtx-5 等がこれに相当します。多くのカラムメーカーが相当するカラムを販売しており,同じメーカーからも「5」と称されるカラムが複数種類販売されています。製品名に「ms」がついた製品は質量分析計用のローブリードカラムということで,カラム選定の目安になりますが,「ms」のついた製品でも同じメーカーで複数の種類が存在する場合があり,カラムの選択に迷ってしまうことがあります。これらはメーカー毎に液相の構造や石英管内面の不活性化処理法その他製造法が異なるため実際の分析の際に化合物の保持時間や溶出順序等の分離挙動が異なってしまう場合があります。Vacheslav N. Fishman らは 7種の 5%フェニル系カラムについてダイオキシン類異性体の分離評価を行い,それぞれのカラムでの分離特性をまとめ,液相構造の違いにより成分分離のパターンが異なることを示しました。
2016.07.11