
HMV-Gシリーズ
- 高張力鋼の高速引張試験が可能です。 - 引張強度のひずみ速度依存性の評価が可能です。
高張力鋼は一般構造用鋼より優れた機械的性質を有し、輸送機関分野に広く応用されています。特に、高張力鋼は比強度(重量あたりの引張強さ)が高く、部材の軽量化によるCO2の排出削減効果が期待されています。 構造材の最も基礎的な物理的特性は引張強さであり、一般的には静的引張試験(低速引張試験)で評価されています。しかし、高張力鋼では、試験時のひずみ速度が高くなると引張強さが高くなる傾向にあると言われており、静的引張試験だけで測定した引張強さなどの物理的特性では精密な設計はできないことになります。そのため、衝撃的な負荷(高速負荷)を受ける可能性がある自動車部品などの安全性や設計効率を確保するためには、高速引張試験を行い、引張強さとひずみ速度の関係を明らかにする必要があります。 本稿では、高張力鋼の引張強さのひずみ速度依存性を評価するために、低速(0.0001 m/s)から高速(5 m/s)までの引張試験を実施しました。ピン付きのつかみ具を用いることで試験片を良好に把持し試験することができます。今回の試験速度の範囲では、低速に比べ、高速の引張強さが10 %程度高い結果となりました。
2021.07.04
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