
Hyper Vision HPV-X2
車の心臓部であるエンジンは,燃料と空気(酸素)をエンジン内部で混合し,爆発的に燃焼させることで動力にしています。Fig. 1 に自動車エンジンの構造の一例を示します。吸気バルブから導入された空気と,インジェクタから噴霧されたガソリンからなる混合気は,ピストンにより圧縮され,ピストンが上昇しきる手前で,点火プラグにより着火され急速に燃焼します。この燃焼ガスの圧力でピストンが押し下げられてクランクを回転させることで,燃焼ガス圧が回転運動に変換されます。燃焼が終わると排気バルブが開き,燃焼ガスを排気ガスとして排出します。 近年,環境対策のために,エンジンの各動作工程の見直しが進められており,その中で高速撮影による可視化は重要な観察手法となっています。例えば,排気ガスに含まれる有害微粒子である PM2.5 は,インジェクタから噴霧されたガソリンがシリンダ壁面へ付着することが原因の一つと考えられています。また,燃費向上に関しては,噴霧時のガソリンの微細化や均一化を行うことが重要です。 今回,高速度ビデオカメラ HPV-X2 を用いて,インジェクタによる燃料噴霧の様子と,噴霧の壁面への衝突の様子を撮影しましたのでご紹介します。
2021.07.30
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