材料試験におけるひずみ分布の可視化~ DIC 解析~

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はじめに

材料試験において,試験対象に発生するひずみ分布を解析する必要性が高まっています。この背景の一例としては,近年,コンピューター上で製品設計シミュレーションを行うことで試作品製作の回数やコストを大幅に圧縮できるCAE(Computer Aided Engineering)解析技術が科学・産業分野で広く利用されていることにあります。対象となる製品等のひずみが集中しやすい部分を機械試験において解析し,シミュレーション解析結果と機械試験で得られたひずみ分布との相関を明確化することが求められています。 DIC(Digital Image Correlation)解析は物体表面のランダムパターンを物体の変形前後で比較し,対象物の変形量等を調べる手法です。デジタル画像から変位の計測やひずみ分布解析が可能であり,試験対象にセンサーを接触させる必要がないこと,複雑な光学系が不要であることが特徴です。そのため,DIC 解析は大型構造物や高温下における部材,顕微鏡下における微小部材のひずみ分布解析といった,従来の技術*1 では測定困難であった状況下で使用されるなど,広い分野で応用展開されています。 本稿ではCFRP とABS 樹脂の高速引張衝撃破壊においてDIC 解析を実施した例をご紹介します。

2021.03.28

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